Thursday, June 8, 2017

PINGEL コックのオーバーホール PINGEL petcock

イヌトレーシーについているピンゲルの高級コック
コックをオンにすると下からポタポタガソリンが垂れるようになってしまった。
ま、漏れてる写真はないけどね。



日本のPINGEL代理店であるPMCから補修用のOリングが出ているとツッチー先輩から教えてもらったんだけど、ネットで見る限り部品は出てなくて、そしたら先輩は「Oリング総研」っていう経営コンサルタントみたいなすごい名前の会から出てる部品を教えてくださいました。この喜びをみなさんにも分け与えたくて、サイズも購入先も隠さずお伝えしよう。耐薬品のじゃないとガソリンに負けてすぐダメになっちゃうからね。部品のサイズは写真を参考にしてね。口が1つのリザーブありのタイプの場合、小さい方が2個大きいのが1個必要になります。http://item.rakuten.co.jp/oring/4d-ks-8-sakura/?scid=wi_ich_iphoneapp_item_share


http://item.rakuten.co.jp/oring/4d-as568-108-sakura/?scid=wi_ich_iphoneapp_item_share
なんという親切なブログ、ここまで丁寧に解説したところはなかなかないよ。
タンクから引き抜いたコック。これを丁寧に分解する。
ゴミ避けのメッシュフィルターはコック根元のカリ部分に軽くプレスしたように固定されてるのでそっと引き抜く。

分解!これでだいたい女の子のインスタのアカウントを教えてもらったくらいの進行状況
次はコックのつまみをそっと叩き抜く。
割りが入った鉄の棒なのでこれは簡単、コツはともかく本体を固定してやるってこと。
最後の部分は折れてダメになったドリルの刃を使って最後まで引き抜く。

ここまで来たらデート出来たくらいの進行度


上に伸びるガソリンパイプはとても薄くてかなりきちんとした精度で出来ているので
これを曲げたらアウト!そこで8mmの長めのボルトを通して保護しながら
万力で少しずつ抜いて行く。
写真みたいにやると片側に力がかかり過ぎるから
用心深く少し抜いては回転させてまた締め込んでを繰り返す
このコック結構高いし、傷を付けたくない真面目な人はゴム板で包んだり養生してください。
ほらほら、少しずつ抜けて来ただろ?写真みたい蓋を万力で押さえてたら絶対抜けないから
すこしずらして上の蓋だけが抜ける位置に万力をかけるか、少し大きいソケットレンチのコマにかけてやれば均等に抜けるよ。
取れた!中に大きい方のOリングが見えてる。

もうパンツ脱いだくらいフルオープン





 


さらに手で引き抜くとボロッと切れたゴムが出て来た。

バラした状態。
これで分解はおしまい。
簡単だろ?茶色っぽいのがもとから付いていたOリング。

台湾製のキャブのOリングとかって本当にデタラメなサイズのが来ることがあるよね
さすがOリング総研、確認したらピッタリのサイズでした。

バラバラに壊れてる。これではガソリンが漏れるのも無理はない。
この横の穴に小さい方のOリングがはまる仕組みになってる
中も綺麗に掃除してやって、
組み立てる時にスルッと入るように少しだけラバーグリスを使って
Oリングを組み付ける。


反対側も同じようにして二個のOリングを組んだら組み立て準備が終わる。

残った大きい方は蓋のシールに使うオーリング。
これも定位置に嵌めてから
蓋をあてがってやる。

ここからは自由演技で各自好きなように圧入して下さい。
精度がかなりシビアなので、強くぶっ叩いたり左右不均等に力をかけると
壊れちゃうと思われる。

そこで僕は使っていないリアサスのカラーを当てがって元通り万力で組み立てた。

参考までに大きな万力がない人は
シャコマンでもクランプでもいいし、
荒技としては手に持ったままトンカチで叩き込むこともできる。
これは台に乗せてやると力がかかり過ぎてどこか壊れる可能性もあるので、
手に持ったまま打撃を加える方がいいと思う。

ここで言う「壊れる」ってのはごくごく小さいクラックが入ること。

ガソリンはとても浸透する力が強いのでほんの少しの隙間や亀裂でも
どんどん漏れ出て来てそのコックは使えなくなる。

それがわかってたら叩くことはまずしないだろうし、叩くにしてもやり方があるとわかるはず。
圧入も同じ、間違った力や斜めの力をかけたら真鍮のボティは簡単にヒビが入る。
そしたら高いコックはパーになります。



さて、組み立ても最終段階、つまみの棒をあったように刺すんだけど、

これを180°間違えるとオンにしても何も出て来ない。

ここでピンゲルの仕組みを見てみよう。
つまみを回すと内筒が回転して、
外筒と内筒の穴が揃ったところでガソリンが出て来る仕組みになってるんだ。
つまみがどっちから刺さってたかわからなくなった時は、
ガソリンが出て来るところを口にくわえて息を吐きながら回転させて
offで止まってonとresで空気が流れる向きに刺してやれば間違いない。


これで完成。
最後にフィルターの網を元に戻して
一応念のためシールテープを巻いてガソリンタンクに取り付ける。
もうリサーブでもオンでも一滴も漏れて来ないよ!
これで全ての作業が完了。
機械が苦手じゃない人は初めてでも30分くらいで出来るんじゃないかな。

もちろんプロが整備してくれるところもあるよ
だいたい6000円くらいでオーバーホールしてくれる。
AKO/MCでは5000円〜でやってるらしいよ!


追記
結構高いコックだし、かなり精密に出来てる部品だから
この記事を見ながら自分でやって失敗したり壊しちゃう人もいるだろう。
僕は全然気にしないけど、圧入したりするからピカピカのボデイに傷とかも入るよ。

固いな?って思ったら自分が間違えてる可能性も大。
無理に力をかけるようなタイプの人には向かない作業だよ。

ネジをどっちに回したらいいかわからない人や
工具が揃っていない人は自分でやらない方がいいと思う。
2万近い部品を失うことになるから、気持ちと時間に余裕があって
まあ失敗してもいいんじゃね?って人だけチャレンジしなよ。

あと書いてある通りやって失敗する前にこの記事を初めから終わりまでよく読んでね。

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